トライ&エラー 望みを観測するために:紫色のクオリア


期待をはるかに上回った作品。
 
百合百合した一話からは想像もできない展開、二話以降は圧倒されるしかない。
悪魔のミカタ』では慎重に一歩ずつ踏み外していた残酷な階段を走りながら落ちていった感じ。
人を捨て、自分を捨て、倫理を捨て、善悪の箍を外し、無限の人と世界をすりつぶしても到達できない望み。
他の話だとメインになるだろう毬井のクオリアがただの物語上の道具に過ぎないとか、
これだけのSF感はひさびさに味わった。全三巻くらいでじっくり読めれば…。
 
作品紹介で「少し不思議な日常系ストーリー」と書いた人は前へ出ろ、君は天才だ。